【解説編】気柱の振動 〜定常波を書き込む〜
![]() (1) 音の波長 λ [cm]を求めよ。 (2)開口端補正 Δl [cm]を求めよ。 (3)次に気柱の振動が起こるときの、Lの長さ l [cm] を求めよ。 |
ジャンルが変わりまして今回の問題は、「波」の問題です。
こういう問題は、問題設定自体は難しくないのですが、開口端補正や固有振動など
聞き慣れない言葉が多く出てきます。
また原理がわかっていないと厳しい側面があるので、
原理を理解した上で、解き方を手順として整理することを目標にしましょう。
解き方のコツ
この問題を解く上でのコツは、
波がどのように移動しているかを、一度、図示してみることです。
まず問題文には、「固有振動が起こった」と書いてあります。
この言葉の意味は、「定常波が起こり、音がなりましたよ」という意味です。
つまり、音という振動がガラス管に入っていき、そして行き止まりで反射して帰ってきます。
そのときに定常波が出来上がったというわけです。(理由はちょっとあとで説明があります^^
つまり、L = 3.0[cm], 12.6[cm] のときには、定常波が起きているのです。
よって、必要なステップは「ガラス菅の図に定常波を書き込む」です。
Step1 定常波と気柱の性質を理解する
定常波を書き込むために、波と気柱の性質を思い出してみましょう。
そもそも定常波とは、「反対の向きに同じ速さで進む、波長と振幅が等しい正弦波のこと」でしたね。
これでガラス管の内部で定常波が起きる理由がわかりましたね!
そう、先ほど行ったように、「音という振動がガラス管に入っていき、そして行き止まりで反射」してくると・・・
反対向きで同じ速さで、波長と振幅が等しい正弦波が帰ってきますよね?
これで定常波の完成ってなわけです^^
そして、定常波には、「節」と「腹」があります。
「節」とは、波の部分のうち全く振動しない部分のことで、
「腹」とは、波の部分のうち大きく振動する部分のことです。
下に図で示しておきます。
気柱の重要な性質として、「開口端」と「閉口端」があります。
閉口端とは、ガラス管の口が閉じている、つまり筒の先端が閉じている状態です。
閉口端では、先端が閉じてしまっているために、音を伝える役目を担う空気が自由に動けません。
そのため、閉口端になっている部分は「全く振動しない部分」つまり、「節」になるという性質があります。
この性質から、別名「固定端」とも呼ばれます。
逆に開口端とは、ガラス菅の口が開いている、つまり筒の先端が開いている状態です。
開口端では、もう空気はフィーバー状態ですから自由に動くことができます。
そのため、開口端になっている部分は「大きく振動しする部分」つまり、「腹」になるという性質があります。
この性質から、別名「自由端」とも呼ばれます。
よって、ガラス菅に定常波を書き込むときに覚えるべきことは、以下の3つです。
1. 定常波とは、反対の向きに同じ速さで進む、波長と振幅が等しい波のこと
2. ガラス菅の閉口端になっている部分は、節となる
3. ガラス菅の開口端になっている部分は、節となる
Step2 図に書き込む
では、これらのことを踏まえてガラス管の図に定常波を書き込んでみましょう。
さて、みなさん気づきましたか?
開口端の波が侵入してくる部分が少しガラス管からはみ出ていることに!
あのはみ出た部分を「開口端補正」と呼びます。
このはみ出ちゃうのは、仕方ないものだと思ってください。
ピストンを右に動かしていき、初めて定常波ができた位置が L = 3.0 [cm]のときだ
と文章に書いてあります。
ではさらに、ピストンを動かした L = 17.6 [cm] のときはどうなっているのでしょう?
ぜひ、皆さんもさっきの三つのルールを守るように定常波の図を描いてみてくだい!
ヒントは波の波長はかわらないということです。
では私が描いた図を見てみましょう。
皆さん、あってましたか?
ここまでできれば下準備OKです。
それでは、問題を解きましょう!!
といきたいところですが・・・
ここは一度区切って、次回の記事にて解答を行います。
乞うご期待!
追記:解答編はこちら↓↓