【剛体のつりあい】力のモーメントの基礎を学ぶ

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右図のように、重さW、長さL の一様な棒ABの端Aを壁に取り付ける。その際、棒ABは端Aを中心に鉛直面内で自由に回転できるとする。また、もう一方の端Bは、壁に繋いで糸をつけ、棒ABを水平に保つ。このとき、糸と棒のなす角は30°となった。以下の問題に答えよ。

(1)棒ABが糸から受ける力の大きさを求めよ。

(2)棒ABが端Aで受ける力を求めよ。

 

力のモーメントの問題を解きます。

力のモーメント自体は、「てこの原理」として小学校から習ってきていると思います。

なので、あとはそれを使って問題が解けるかどうかが問題です。

 

力のモーメントの問題ですが、多くの場合、

「力のつりあいの問題をやり慣れているか?」

「ベクトルを書き込むことができるか?」

などの基礎的な内容が問われてきます。

 

なので、それを復習しつつ問題を解いていきましょう。

 

 

解き方のコツ

では、力のモーメントの問題に関しても手順化していきましょう。

手順化することで、どんな問題であっても同じパターンで解くことができるようになります。

 

それと、問題文の回転の意味がわかりましたか?

下の図ように回転するという意味です。

つまり、90°回転すると、棒ABは壁にぺったりくっつくわけです。

 

 

手順1:力のベクトルを書き込む

まずは、力のベクトルを書き込んでいきましょう。

力学と言えば、まずこの作業ですね。

(力学的エネルギーの問題では使わないときもありますが・・・)

 

ちゃんと、力のベクトルを書き込む手順を覚えていますか?

「ベクトルを正しく全部書き込めない(-_-)/」と言う方は、下記のページにまとめてあります。

ベクトルの書き込み方を知る! 〜作用反作用の法則〜
 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || ).push({});  図のような、重さがそれぞれWA、WB の物体A、Bが水平面上に置かれている。(1)それぞれに働く力を図示せよ。ただし垂直抗力はNを用いて表せ。(2)(1)で図示した力を用いて関係式を求めよ。&nbs...

 

 

さて・・・みなさん書き込めましたか?

念のためここでアドバイスです。

 

このサイトの「物理の解き方と心得」にも書きましたが、

「もしも、現実世界でこの問題の状況が存在したら、このあとはどう動くだろう?」

と想像する力は重要です。

 

今みなさんが書き込んだ「力のベクトルたち」それらだけで、棒ABは水平を保ちますか?

今一度、想像して見てください。

何か不足があるかもしれませんよ!

 

というわけで、答えあわせです。

以下が私の書いた図です。

 

 

当たってましたか?

緑色の張力は勝手に「T」と命名しました。

また、青色のベクトルは勝手に、x方向のものを「Fx」,  y方向のもの「Fy」と命名しました。

「Fx」の方は、作用反作用の法則から予想してかけたと思います。

忘れがちなのは、「Fy」です。

 

よく考えるとわかるのですが、「Fy」がないと、ずるっと滑ってしまい、

下の図のように棒ABはどう頑張っても水平を保つことができません。

 

これに気づいてもらうために、先ほどのアドバイスをしました。

 

また、問題文に「重さ」と書いてあるので、

重力によるベクトルの値(赤色のベクトル)を「Wg」や「9.8W」としてはいけませんよ!

その理由が怪しい人は、このサイトの「高校物理専門用語集 1.1 重さと質量」を確認してください。

 




 

 

手順2:力のベクトルを合成・分解する

次に、ベクトルを比較できるように、ベクトルの分解or合成をしましょう。

今回は、最も簡単そうな、「T」を分解することにしましょう。

 

「どうしてTを選んだの?」と思った人は、次の記事をチェック!

分解する方向に注意! 〜斜面上のつりあい〜
 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || ).push({}); 図のような、仰角が30°のなめらかな斜面上に、重さが4.0の物体を置き、物体に水平方向の力 F を加えて静止させた。(1)物体に加えた力 F の水平方向の大きさを求めよ。(2)物体が斜面から受ける力...

 

 

分解した結果が次の図です。

 

 

手順3:力のモーメントのつりあいの等式を立てる

さて、最後の手順です。

力のモーメントを求めて等式を作りましょう。

 

この問題では、棒ABは端Aを中心に回転するはずですが、棒ABは水平を保っているという記述があります。

ということは、力のモーメントはつりあっているはずです。

 

まず力のモーメントを求める際には、中心を定める必要があります。

その中心は「端A」で問題ないと思います。(問題文にそう書いてありますから

 

よって、端Aを中心として考えると、

力「W」は”時計回り”に棒を回転させようとしています、

力「Tsin30」は”反時計回り”に棒を回転させようとしています。

ということは、これらの力のモーメントがつりあってないと変ですよね?

力のモーメントは、「力の大きさ×中心からの距離」であることを踏まえると、

「\(W × \frac{1}{2}L = Tsin30 × L\)」が成り立つ。

 

あとは、当然ですが普通の力のつりあいの式も作ることができますね。

水平方向のつりあいより、「Fx = Tcos30」

鉛直方向のつりあいより、「Fy + Tsin30 = W」

 

これで準備万端です!

なぜなら、未知の定数が「Fx」「Fy」「T」という3つであり、

等式を3つ作ることができているため、連立方程式を100%解くことができますから!

 




 

 

(1)棒ABが糸から受ける力の大きさを求めよ。

解答へのひらめき

つまり、「Tを求めよ。」という問題ですね。

大丈夫です。あれだけ下ごしらえをすれば解けます。

 

普通に、先ほど作った等式「\(W × \frac{1}{2}L = Tsin30 × L\)」を解きましょう。

 

計算の手順

 

「\(W × \frac{1}{2}L = Tsin30 × L\)」において、sin30 =  

\(\frac{1}{2}\)であるため、

\(W × \frac{1}{2}L =\frac{1}{2}T × L\)

→WL =TL

→\(T = W\)

 

以上より、求める解は、W[N]

 

(2)棒ABが端Aで受ける力を求めよ。

解答へのひらめき

この問題が指す「棒ABが端Aから受ける力」とは、

FxとFyを合成した力「F」のことです。

 

なので、とりあえずは、FxとFyを求めることにしましょう。

その後に、三平方の定理で合成すればOKです。

 

やり方は、手順3で作った等式を解くだけです。

 

計算の手順

 

「Fx = Tcos30」より、\(Fx = \frac{\sqrt{3}}{2} × T\)

「Fy + Tsin30 = W」より、\(Fy = W – \frac{1}{2} × T\)

ここで、(1)より、T = Wであるため、

\(Fx = \frac{\sqrt{3}}{2}W\)

\(Fy = \frac{1}{2}W\)

 

棒ABが端Aから受ける力をFとすると、

三平方の定理より、F2 = Fx2 + Fy2 であるため、

\(F = \sqrt{\frac{3}{4} + \frac{1}{4}}W\)

→F = W

 

以上より、求める解は W[N]

 




 

 

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