力学的エネルギー保存則を使う時の注意ポイント!

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問題説明図 右のように、小球が点Aから初速度 0 [m/s] で出発し、なめらかな曲面上を点B→点Cと運動する。このとき、小球が点Bと点Cを通過するときの速さ vB、vC [m/s] を求めよ。

ただし、重力加速度の大きさを g [m/s2] とする。

 

ここでは、力学的エネルギー保存則を用いる問題を解いていきましょう。

この問題は非常によくある設定だと思うので、最初の問題としては最適ですね。

 

力学的エネルギー保存則を知っていると、細かな物体の動きを知らなくとも

エネルギーの増減だけで、速度や高さがわかるようになります。

なので、直線や放物運動であっても、細かい計算なしで解を求められることが魅力です。

 

ただし、問題によっては仕事についても考慮しなけれないけないため注意が必要なのです!

 

 

運動エネルギーと位置エネルギーのおさらい

 

まず、「運動エネルギー」と「位置エネルギー」をちゃんと覚えていますか?

中学から習っているので、これは大丈夫だと思います。

 

運動エネルギーは、物体が移動するとき持つエネルギーのことでしたね。

位置エネルギーは、物体が重力よって地球に引っ張られるエネルギーのことでしたね。

 

そして、これらのエネルギーは、数値で表せるんでした。

当然、エネルギーですから単位は[J]ジュールですね。

運動エネルギー: K = \(\frac{1}{2}mv^2\)

位置エネルギー: U = mgh 

 

ここで追加で紹介しておくと、「弾性エネルギー」というものがあります。

弾性エネルギーとは、引っ張られたバネが蓄えるエネルギーのことです。

 

もう少し解説を加えると・・・

例えば、物体をバネにつけて引っ張り、そして離すと「ビヨン、ビヨン」と動きます。

ということは、バネを引っ張ると、物体を動かすエネルギーを貯めることができるということです。

これが、弾性エネルギーです。

 

つまり、位置エネルギーと理屈は同じです。

  • 位置エネルギー
    • 物体を高いところに引っ張って持ち上げて・・・
    • 重力の力で運動する(落ちてくる)
  • 弾性エネルギー
    • 物体をバネにつなげて引っ張って・・・
    • バネの弾性力で運動する

 

 弾性エネルギー: U = \(\frac{1}{2}kx^2\)

 




 

 

力学的エネルギー保存則

 

「運動エネルギー」「位置エネルギー」「弾性エネルギー」の3つは全て、

物体が運動するためのエネルギーだということはわかりましたか?

 

そしてこれらのエネルギーは、力学的エネルギーと呼ばれ、

物体がどこに行こうとも、「力学的エネルギーは一定になる」という法則があります。

これが、「力学的エネルギー保存則」です。

 

ただし!注意が必要なのは、

保存力以外の力が物体に仕事してしまっているときです。

※あ! 保存力とは力学的エネルギーを生み出す「重力」や「弾性力」のことです。

いくら、力学的エネルギーが保存されるとはいえ、

外部から力を加えられ、仕事をされてしまっては、力学的エネルギーは減ってしまいます

 

例えば、どれだけ速く運動する物体であっても、ザラザラな摩擦のある地面ではいつかは静止します。

つまり、物体がもつ運動エネルギーが、摩擦力のする仕事によってどんどん減らされて、

ゼロになってしまい静止したわけです。

これが、車が台車なんかを走らせたときに勝手に止まってしまう理由です。

 

というわけで、保存力以外の力が働いていないときは・・・

心おきなく、力学的エネルギー保存則を使いましょう。

 

保存力以外の力(摩擦力、空気抵抗)などが働くときは

1. 力学的エネルギー保存則を諦めて、運動方程式を立てる

2. その力が加える仕事を加味して、力学的エネルギー保存則を使う

このどちらかの方法を使いましょう

 

2番目の仕事に関しては、以下の記事が参考になると思います。

仕事に関しては、以下の記事が参考になります。

仕事とは何か?感覚的かつ数値的につかむ
 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || ).push({}); ここでは、「仕事」とは何か?を感覚的かつ数値として学び、意味を理解した上で公式を暗記できるようになることを目指します。というわけで、ここではとてもカンタンな問題を解きつつ、仕事について学...

 

 

問題を解いてみる

 

では、問題に戻りましょう!

・・・・・・

どんな問題か忘れてしまいました・・・

 

というわけで再掲

問題説明図 右のように、小球が点Aから初速度 0 [m/s] で出発し、なめらかな曲面上を点B→点Cと運動する。このとき、小球が点Bと点Cを通過するときの速さ vB、vC [m/s] を求めよ。

ただし、重力加速度の大きさを g [m/s2] とする。

 

 

手順1:保存力以外の力が働いているか調べる

 

まず力学的エネルギー保存則の問題では、速度や高さなど数値が重要となるため、

ベクトルを描き込む必要はありません。

なぜなら、「どの方向への力か?」はどうでも良いからです。

 

ただ、どんな力が働いているか?は知っている必要があります。

そう!保存力以外の力が働いているか調べるためです。

 

今回の場合、働いている力は重力のみです。

ということは、ふつ〜うに力学的エネルギー保存則を使いましょう。

 

しかし!

もしも、あの曲面が、「なめらかな」曲面じゃなく、「あらい」曲面だったら

摩擦力が発生するので、単純に力学的エネルギー保存則は使えません

これが、力学的エネルギー保存則の問題で注意すべき点です!

「摩擦力を考慮しなければならない力学的エネルギー保存則」を使う問題は

別の機会にやりますので、期待しておいてください。

 

 

手順2:物体が持つ力学的エネルギーを求める

 

まず、力学的エネルギー保存則から、

点A、点B、点Cの力学的エネルギーは等しいので等式が作れるはずです。

 

では、それぞれの点での力学的エネルギーを表にしてみましょう。

力学的エネルギーのうち、今回は弾性エネルギーは省きます。

今回の問題では、バネがないですからね(^^)/

 

公式に当てはめた表が以下のものです。

運動エネルギー 位置エネルギー
点A \(\frac{1}{2}m0^2\) mgh
点B \(\frac{1}{2}mv_B^2\) mg0
点C \(\frac{1}{2}mv_C^2\)  mg\(\frac{1}{2}h\)

 

小球の重さは勝手に m としました。

実際の解答でも、「m  にしました」という記述があるとより良いと思います。

 

「力学的エネルギー = 運動エネルギー + 位置エネルギー」ですから、

もう解けますね?

では解答です。

 

点Aにおける力学的エネルギーは、「0 + mgh」である。

点Bにおける力学的エネルギーは、「\(\frac{1}{2}mv_B^2\) + 0」である。

点Cにおける力学的エネルギーは、「\(\frac{1}{2}mv_C^2 + mg\frac{1}{2}h\)」である。

 

力学的エネルギー保存則より、点A,点Bにおいて、

「\(mgh = \frac{1}{2}mv_B^2\)」

→「vB2 = 2gh」

v> 0 より、

「vB = \(\sqrt{2gh}\)」

 

力学的エネルギー保存則より、点A,点Cにおいて、

「mgh = \(\frac{1}{2}mv_C^2 + mg\frac{1}{2}h\)」

→「2gh = vC2 + gh」

→「vC2 = gh」

v> 0 より、

「vC = \(\sqrt{gh}\)」

 

以上より、「vB = \(\sqrt{2gh}\) [m/s]」、「vC = \(\sqrt{gh}\) [m/s]」

 




 

 

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