分解する方向に注意! 〜斜面上のつりあい〜

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13_問題図のような、仰角が30°のなめらかな斜面上に、重さが4.0[N]の物体を置き、物体に水平方向の力 F[N] を加えて静止させた。

(1)物体に加えた力 F の水平方向の大きさを求めよ。

(2)物体が斜面から受ける力を求めよ。

 

この問題はよく出るタイプの問題で、突っ掛かる人も多い問題だと思います。

この形式でなくとも、斜めの物体に水平方向の力がかかる問題は頻出です。

幸いこの問題では動く物体がないため、簡単な部類です。

ここで考え方をしっかり頭に入れておきましょう

 

 

解き方のコツ

この問題のコツはズバリ、「力の分解」「その方向」です。

力を図に書き込んで見るとわかりますが、複数のベクトルの方向がまるであっていません。

そんなデタラメな状態では、「物体に対してどの方向にどのぐらいの力があるか?」なんてわかりっこありません。

なので、問題を解く前にベクトルを分解することを考えましょう。

まずは、力を書き込んだ図を見てください。

13_written

※斜面を作っている三角形(灰色)にかかる力が作用反作用の法則から出現してしまいます。なので、念のため半透明で書いておきました。でも、三角形は実際にはただの床で動きませんし問題の備品なだけなので、正直言って三角形にどんな力が働くかはどうでも良いです。図が見づらくなるだけなので、次の図からはそれらの力は消して表示します。

 

3本のベクトルの向きがめちゃくちゃです。

なんとかして方向を絞りましょう。

皆さんなら、どの方向に分割しますか?

多くの人は次の2択になると思います。

13_pattern1

 

基本的に分解する方向のオススメは、「物体が運動する方向」です。

この問題で物体が運動すると仮定すると、物体は斜面を登るか下るかの2択です。

ということはオススメするのはパターン1…と思いきや!

この問題ではパターン2の方が良いのではないでしょうか?

 

なぜかと言うと、私が先ほど行ったオススメは「運動する方向」です。

この問題はどうでしょう?

「物体を静止させた」と書いてありどの物体も運動しません。

ならぶっちゃけ、どの方向に分割したって問題は解けます。

でもやっぱり、少しでも楽したいですよね?

 

ここで試しに、パターン1で分割することを考えましょう。

13_pattern1v

そうすると、青色の垂直抗力は、すでに向きが合っているので分解する必要はありませんが、他の二つは分解しなければいけません。

つまり、分解が必要なベクトルは2本です。

 

 

次にパターン2で分解することを考えましょう。

13_pattern2v

そうすると、力Fと重力は向きが揃っているので、垂直抗力だけを分解すればOKです。

つまり分解が必要なベクトルは1本です。

 

どうですか?どうせやるなら1本で済むパターン2の方が良くないですか?

 

ちなみに「力を書き込む時に、全部正しくかけない!」と言う方は次の記事を参考にどうぞ

文系にこそ読んでほしい高校物理のコツ
このサイトでは実際の問題を解きながら物理を学ぶことのできるサイトです。しかも、なかなか珍しい、図説・図解付きです! 物理の公式を解説しているサイトはあれど、「じゃあ、それをどう問題に当てはめていくのか?」を説明してくれているサイトは少ないです。特...




 

 

(1)物体に加えた力 F の水平方向の大きさを求めよ。

解説図

先ほどの話通りパターン2で分解した後の図がこちらです。

(青色の垂直抗力に「N」という名前をつけています)

13_devided

 

問題へのつぶやき

正直、ここにたどり着くまでの力の分解がこの問題の砦です。

あとは、ただ手順通りに進めましょう。

 

問題文に「物体を静止させた」と書いてあるので、物体は鉛直方向でつりあっているし、もちろん水平方向にもつりあっています。

 

まずは、鉛直方向から!

上向きと下向きの力がつりあうはずなので、方程式を作りましょう。

「Ncos30 = 4.0」

 

次に水平方向を見ると、左向きと右向きのベクトルはつりあうはずなので、

「Nsin30 = F」

 

これで、式が2本揃ったため連立方程式が作れます。

また解答には、「自分でベクトルにNと言う名前をつけました」と言う意味の文言を書くとなお良いかと思います。

 

計算の手順

先ほどの式から、代入法で連立方程式を解きましょう。

また、少数で求める場合の回答も載せておきます。

有効数字は問題文に「4.0N」と2桁で書いてあるので、2桁でいきましょう。

斜面が物体に当てる垂直抗力をNとすると、

Ncos30 = 4 より$$N = \frac{4}{cos30}$$

これを Nsin30 = F のNに代入して、$$4 × \frac{sin30}{cos30} = F$$

つまり、$$F = 4tan30 = \frac{4}{\sqrt{3}} = \frac{4\sqrt{3}}{3}$$

よって$$F ≒ 4 × 1.73 ÷ 3 ≒ 2.30…. ≒ 2.3$$

 




 

(2)物体が斜面から受ける力を求めよ。

問題へのつぶやき

この問題で求められているものは、先ほど勝手に名前をつけた力のベクトル「N」です。

なので、さっきの式を使ってささっと求めましょう。

 

あと、先ほど有効数字が出てきましたが、怪しい人は以下を参考にどうぞ

文系にこそ読んでほしい高校物理のコツ
このサイトでは実際の問題を解きながら物理を学ぶことのできるサイトです。しかも、なかなか珍しい、図説・図解付きです! 物理の公式を解説しているサイトはあれど、「じゃあ、それをどう問題に当てはめていくのか?」を説明してくれているサイトは少ないです。特...

 

計算の手順

また有効数字2桁でいきます。

 \(N = \frac{4}{cos30}\) であるので、$$N = 4 × \frac{2}{\sqrt(3)} = \frac{3\sqrt{3}}{3}$$つまり、$$N  ≒ 8 × 1.73 ÷ 3 ≒ 4.61… ≒ 4.6$$

 

 

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