ばね は特殊な物体です。〜弾性力の基本〜

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 11_ばね定数グラフある軽いばねの弾性力の大きさF[N]と、ばねの自然の長さからの伸びx[m]との関係を表したものが右図である。このばねを2つ用意して、下図1,2のようにつなぎ、重さ4.0Nの物体をつり下げた。図1,2のそれぞれについて次の問いに答えよ。

(1)ばねの自然の長さと比べて、物体の降下した距離を求めよ。

(2)全体を1つのばねとみなした場合のばね定数を求めよ。

11_ばね図1 11_ばね図2

 

この問題は、高校物理で出現する特殊な物体「ばね」の基礎問題です。

一見簡単そうに見えますが、できない人も多いはず…

考え方がしっかりしていないと、この問題は見た目以上に難しい問題になります。

まずは「ばねの性質を明らかにすること」、そして「ばねの動きを力のつりあいから理解すること」が要求されます。

 

 

ポイント

ポイント1 ばね定数

この問題では、ばねが用意されていますが、ばね定数がわかりません

ばね定数とはなんだったか覚えていますか?

 

ばねは自然の長さからビヨーンと伸びるとき、その伸びた分の距離に比例して、元の形に戻ろうとする力(復元力)を作り出します。そしてその力を「弾性力」というんでしたね。

比例するということは比例式を作ることができます。それが次のフックの法則です。

F = kx

F[N]:弾性力の大きさ k[N/m]:ばね定数 x[m]:自然の長さからのばねの伸び

 

この比例式の比例定数「k」こそがばね定数です。

なので、これがわかって初めて、ばねの長さと弾性力を操作できるようになります。

ちなみにばね定数は、ばねの種類によって異なります

また一般的にばねの自然の長さは「ℓ(エル)」を用いて表します。

 

なのでこの問題のポイントは、ばね定数を求めることです。

今回は、すべて同じ種類のばねを使っているので、どのばねでもばね定数は同じです。

 

ポイント2 ばねがあっても力のつりあい

ばねがあっても力のつりあいの理論は当然使えます。

なので、今回も力のベクトルを書き込み、連立方程式を作り、それを解くという手順を踏みます。

 

解き方の流れ:詳しくは以下の記事

文系にこそ読んでほしい高校物理のコツ
このサイトでは実際の問題を解きながら物理を学ぶことのできるサイトです。しかも、なかなか珍しい、図説・図解付きです! 物理の公式を解説しているサイトはあれど、「じゃあ、それをどう問題に当てはめていくのか?」を説明してくれているサイトは少ないです。特...

 

(1)ばねの自然の長さと比べて、物体の降下した距離を求めよ。

下準備

下準備としてまず、ばね定数を求める必要があります。

ばね定数は「F = kx」の「k」の部分、つまりグラフの傾きです。

ここで図を見てみると…「x = 0.50」のとき「F = 20」となっています。

なのでこれを、フックの法則に代入すると「20 = k × 0.5」 これを解くと、「k = 40」

これで、ばね定数がわかったので問題に進めそうです。

 

解説図1

問題文の図1に、力のベクトルを書き込んだものです。

11_解説図1ver2

 

解き方のコツ図1

まずは図1の方に取り組みます。

 

最初に、ぶら下がっている物体にのみ着目して方程式を作ります。

正確には、作用点が物体上にあるベクトルのみに着目します。他のベクトルは無視。

すると 「F1 = 4.o」

 

次に、真ん中のばねに着目します。

すると、「F1 = F2

 

最後に、一番上のばねに着目します。

すると、「F2 = F3

 

ベクトルを書いていますが、動かないので天井は無視でOK

 

3つの方程式より、「F1 = F2= F3= 4.o」ということがわかりました。

ということは、2つのばねはどちらも「上向き4.0Nの弾性力」で元の形に戻ろうとしているわけです。

弾性力と、ばね定数がわかったのであの法則を使えば、ばねが伸びた距離がわかりそうですね(^^)

 

計算の手順図1

そう、フックの法則を使いましょう。

しかもばねが2本あるので、2本分の計算が必要です。

 「F = kx」より 「F = 4.0」、「k = 40」を代入すると

「4.0 = 40x1」なので、「x1 = 0.1」

 

また、同様に「4.0 = 40x2」なので、「x2 = 0.1」

 

以上より、物体が降下した距離は「x1 + x2」より 0.2 [m]

 

解説図2

問題文の図2に、力のベクトルを書き込んだものです。

11_解説図2ver2

 

解き方のコツ図2

次に図2の方に取り組みます。

今回も、ぶら下がっている物体にのみ着目して方程式を作ります。

すると 「F4 = 4.o」

 

次に、ばねと物体の繋がっている部分に着目します。

すると、「F5 + F5 = F4」 → 「F5 = \(\frac{1}{2}\)F4

 

最後に、2つのばねに着目します。

すると、「F6 = F5

 

動かないので天井は無視。

 

3つの方程式より、「F= 4.o」、「F5 = F6 = 2.0」ということがわかりました。

ということは、2つのばねはどちらも「上向き2.0Nの弾性力」で元の形に戻ろうとしているわけです。

 

計算の手順図2

同じように、フックの法則を使います。

ただ図を見ればわかりますが、ばねが2本でも、どちらのばねも同じ高さにあるので、今回は足し算をする必要はありません。

 「F = kx」より 「F = 2.0」、「k = 40」を代入すると

「2.0 = 40x3」なので、「x3 = 0.05」

以上より、物体が降下した距離は 0.05 [m]

 




 

 

(2)全体を1つのばねとみなした場合のばね定数を求めよ。

解き方のコツ

この問題さっきの問題とは逆に考えます。

先ほどまでは、「弾性力が加わっているけど、どのくらいばねは伸びたかな?」という調べ方をしてきました。

この問題は逆に、「4.0N加えたら、〜m伸びたんだけど、それってばね定数いくら?」という問題です。

「1つのばねとみなす」とか書いてありますけど、そんなことはどうでも良いのです。

二つ合わせた状態であっても、弾性力と伸びた距離がわかれば、ばね定数はわかります。

 

図ごとに考えて見ましょう。

 

図1では、4.0Nの物体をつけているので、4.0Nの弾性力で元の形に戻ろうとします。

また、ばねは(1)の答えから、 0.2m 伸びています。

ということは、これをフックの法則に代入すれば、1つとみなしたときのばね定数がわかるはずです。

 

図2でも、4.0Nの物体をつけているので、4.0Nの弾性力で元の形に戻ろうとします。

また、ばねは 0.05m 伸びています。

これを、フックの法則に代入しましょう。

 

計算の手順

 フックの法則より、図1では、「F = 4.0」、「x = 0.2」を代入して、

「4.0 = k1 × 0.2」なので、「k1 = 20」

 

図2では、「F = 4.0」、「x = 0.05」を代入して、

「4.0 = k2 × 0.05」なので、「k2 = 80」

 




 

 

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